chigusa

2020年1月18日2 分

レタッチについて その3:表現としてのレタッチ

レタッチについての最終章です。

人物の撮影は、撮られた方に喜んでもらえることが一番だと思ってます。その方の魅力を最大限に引き出すには、どんなイメージで、どんな角度から、どんなポーズが一番いいだろうと、事前の打ち合わせからはじまり、私は毎回ドキドキワクワクして撮影に臨んでます。そして撮影したら終わりというわけではなく、撮影後の現像レタッチというのが、その延長にあり、私はこの作業でゴールイメージをさらに印象的に仕上げています。

プロフィール写真やお仕事として使う写真の場合は、私は「印象レタッチ」と呼んでいますがライトレタッチを施しています。プロフィール写真はその方の最大のプレゼンテーションなんです。その写真を見た方が「この人に会いたい」と思ってもらうこと。そして実は、一番その写真を見ているのはご本人なんです。ですから自分がその写真をみた時に、「お、いいね❤️」と気持ちがアップすることが大事ではないかなと。

ただし仕事で使う写真の場合は、過剰なレタッチでご本人と印象が大きく違ってしまうのは、逆に信頼を落としてしまいまうので、そこは注意が必要です。

例えばこんな方もいらっしゃいます。撮影することをきっかけにダイエットをする方、ヘアメイクさんと相談してヘアスタイルを変える方、イメージコンサルタントと相談して洋服を新調される方。人にはイメージチェンジしたい、ちょっとした変身願望があります。撮影をそんなきっかけにしていただけると、さらに楽しくなります。

私は撮影時にイメージ通りに仕上がっていたとしても、一通り色温度、コントラスト、ハイライト、シャドー、テクスチャー、彩度など、現像をする際に基本的なチェックを入れます。それがフォトグラファーの個性や感性があらわれる大事な行程だと思っているからです。

ミュージシャンやアーティストさんなど作品として撮影する場合は、大胆なレタッチを施すことがあります。コントラストを際立たせたり、白く飛ばしたり、数枚の写真を重ねて幻想的に見せたり。中には写真の上に筆で色彩を入れたり、ジュエリーを施したり。

写真は撮影した後に、レタッという手法を使ってさらにクリエイティブなアートとしての可能性が広がる世界ですね。今年はそんな作品作りにもチャレンジできたらいいな。

レタッチについて共感したフォトグラファーの記事を紹介

https://medium.com/japan/the-value-of-a-professional-photographer-or-can-i-have-all-the-unedited-photos-jp-2b0da4969e65

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